株式会社坂本設計技術研究所では、「自動車用プレス金型設計」を主軸として色々な設計を行っております。

「自動車用プレス金型設計」での設計

「自動車用プレス金型設計」業務での取引先は、サプライヤーメーカーと金型メーカーとなっております。

サプライヤーメーカーは製品の部品を製造し供給、納入する業者で、製品の部品を製造するための専用工具である「プレス金型」を製作するのが金型メーカーです。

株式会社坂本設計技術研究所は、その「プレス金型」を設計します。

「自動車用プレス金型設計」業務の流れ

「自動車用プレス金型設計」での2D設計・3D設計・3D-CADモデリング・NCの役割

 補足説明2D設計3D設計3D-CAD
モデリング
 N C 
1⃣取引先より製品データ・資料を受領製品データの確認をします   
2⃣製品モデルの製作設計検討時に使用します  
3⃣工程計画製品形状と工程数からアウトラインを計画します  
4⃣加工要領図(DIE LAYOUT)作成工程計画を基に詳細を詰めて金型設計を計画設計ます  
5⃣各工程の金型設計加工要領図を基に金型を設計します  
6⃣金型加工用データ作成金型を製作するために必要な加工データを設計します  

1⃣の■…製品データでは板基準、穴径・穴径状・Burring形状などの製品形状、フィレットの有無、面の板厚の有無、面の良し悪し などを確認します。工程毎の形状データでは、加工プロファイルや展開形状などの設計に必要なデータなどの確認をします。

2⃣の■と★…加工方向での製品完成形状や第一成形工程の形状などの実サイズの工程検討用モデルを製作します。3⃣工程計画や4⃣加工要領図、5⃣各工程の金型設計の打合せや検討・指導などの際にモデルを使用することで、誤認識の防止や時間短縮に繋げています。

3⃣の●と■…1⃣の資料から製品を生産する上で必要な条件(製品の材質と板厚、製品の要求精度、生産拠点と使用するMAIN・SUB・TRYプレス、設定可能な工程数 など)と製品形状から加工方向や工程・工法、型構造などのアウトラインを計画します。

4⃣の●…3⃣の内容を基にして加工要領図を設計します。一枚の金属板をどのように成形していくか? 絞りや曲げなどの加工を施すため、成形品には板減やキズ、ワレなどが起こります。また、抜き工程(切る・穴あけ など)では切刃の強度を確保するためのトリムコンディションを守らなければなりません。使用プレスの条件でもに関しても、検知センサーや搬入/搬出時の製品つかみ位置確保や、スクラップ排出可能サイズなどの多くの条件をクリアしなければなりません。様々な条件を考慮して最終の完成製品形状を作り出します。そのために製品形状に造形を加える作業が4⃣の■です。

5⃣の●と▲…2D設計か3D設計かは取引先によって異なります。

6⃣の■と★…鋳物手配用の発泡加工や金型の製品形状にあたる部分の加工用データを作成します。形状面の3D-CADモデリングのみや、NCデータとセットなど取引先のご依頼によって作業は異なります。

色々な設計

上記の「自動車用プレス金型設計」以外の色々な設計をご紹介します。

■エアコンの室外機のカバーの設計

エアコンの室外機のカバーの設計依頼を請けた時の事です。

カバーには、約Φ550の立ち上がりが60mmほどのBurring穴が2つありました。Burringの下穴展開抜きの次の工程で1っ発で立ち上げて、その次の工程でBurringの先端をR30でラッパ状に拡げるなんて!「えっ?本気?裂けない?」不安しかありませんでしたが、取引先の方は慣れているようで動じていませんでした。

自動車部品とは違う要求精度なのかもしれませんが、驚きました。

■ガスボンベの下部のスカート部品の設計

ガスボンベの丸い下部に、安定性を持たせるために巻く「スカート」と言われる部品があります。その部品に穴をあける金型を設計したのですが、被加工材の板厚が3.2㎜でその重たさで作業者が素材投入で疲れるということでした。そこで、プレスのタイミングに合わせて素材を送り込む機構を持つ金型設計をしました。

送り装置のリフター(被加工材を持ち上げる役割)のバネ位置によっては、リフターが抉てしまいスムーズに動かないという現象がありました。設計通りにいかずバネの位置調整に時間を要しましたが、現場の方々の調整力で無事に動くようになりました。

条件によって変わりますが、重量・タイミング・バランスの大切さを再認識しました。

■ガスタービンの部品の設計

ガスタービンの部品の金型設計では、被加工材の板厚が問題でした。

6.4mmの板厚は、自動車用プレス金型では見たことがありません。板厚が厚いので、プレスする際も被加工材を温めてからプレスしないといけないと成形できないということでした。部品サイズが大きく重量があるので、プレス時の作業者の苦労が計り知れます。

設計時の注意としては、金型に強度を持たせないとプレスしきれないことや、金型自体の破損が懸念されることから、自動車用プレス金型の設計とは違う感覚に切り替えて設計することでした。

■反転機の設計

ロボットラインを使用した金型設計で、最終工程だけ加工方向を180度回した裏からの加工にする必要が有りました。しかし、生産ラインのロボットには180度裏返す機能が無いということで、反転機を設計することになりました。

担当の方にその機構を気に入っていただいて、「年に1度だけある『グッドアイデア賞(取引先の上のメーカーらしい企画だと思いました)』にノミネートする」とのことでした。しかし、図面が出来上がった頃、現場の担当者から「ロボットラインに180度反転機構がありました」との報告で、反転機が製作されることはありませんでした。

残念ではありましたが、良い思い出です。

ショベルカーのバケット部の展開設計

製缶及び機械加工を請け負う企業から「ショベルカーのバケット部のパーツ展開図」のご依頼がありました。

ショベルカーの3Dデータを各パーツに分けて、材料取りのために展開図を作成するという内容です。自動車用プレス金型設計でのバラシ(部品)図のような作業でしたが、ショベルカーと言う製品の展開図では、湾曲した部品は平らな形状にするという少し違うバラシ作業が含まれていました。

製作現場では、平らな部品を曲げていくという作業をされるのですが、機会があればその作業を見てみたいものです。

■現場作業での問題解決のための設計

樹脂金型のコアパーツを取り換える際に問題があり、金型のbrush upに向けて、開発者の方が考えている内容(問題点の対策案など)を図面化しました。それを基に実物での検証を行い、金型の改造の有無や違う方法の検討などを行いました。

別の例では、現場の問題を解決するために、作業者の作業をサポートする道具の設計という、開発的な設計を行いました。図面を起こすことで見積や材料の手配ができ、試作機の製作はもちろん、複製することもできます。

設計でお困り事がありましたら、是非ご相談ください。

   

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【担当:松本(マツモト)】