緑化の今ー20年の歩み

2005年、津田サイエンスヒルズへの移転を機に始まった、私たちの緑化計画。
それから20年。植えた木々は成長し、少しずつ森の姿へと変わってきました。
ここでは、その歩みと現在の姿をご紹介します。
PLANTー植えるー
これが社屋建設当時です。社屋を建てるにあたり、もともと敷地にあった木々は一度すべて伐採し、そこから新たに、計画をもって雑木林をつくることにしました。
目指したのは、街の中に設けられた景観としての「緑」ではなく、地方に残るありのままの自然とも違う。人の手で計画し、木を植え、育てながら、時間とともに自然が息づいていく雑木林。
木々が育ち、木陰が生まれ、鳥や虫や小動物が集い、四季折々の花が咲き、季節の移ろいを感じる。そんな、都会の中にありながら自然と人がともに過ごせる「森」をつくる。そんな未来の風景を思い描いて、植栽計画はスタートしました。
NUTUREー育てるー
木を植えたその日から、この森を育てる日々が始まりました。
庭ができたばかりの頃は、まだ木々の根が十分に張っていなかったため、朝5時に会社へ来て、水をやっていました。
朝だけでは足りず、昼にも夜にも水をやる。その水の使用量を見て、水道の検針員さんに「漏水しているんじゃないですか」と疑われたこともありました(笑)植えたばかりの木々がしっかり根を張り育っていくまでは、そんな日々を続けていました。
今では、木々も大きく根を張り、当時のように朝昼晩と水をやる必要はありません。それでも、朝の水やりや落ち葉掃除、草刈り、剪定は今も日課です。毎日森を歩きながら、木の成長を見守り、季節の変化に目を配り、その時々に必要な手を入れる。そうして一本一本の木と向き合いながら、森を育ててきました。
20年という時間は、一本一本の木に注いできた、日々の積み重ねでもあります。


CONNECTーつながるー
庭の木々は、すべてが当初の計画通り植えられたものではありません。
大阪府や枚方市からいただいた木、地域との仕事を通じたつながりの中でいただいた木、社員が持ってきて植えた木や草花。そうした1本1本も、この森の一部になっています。
人とのつながりの中で、少しずつ姿を変えながら育ってきた森です。
PHILOSOPHIー哲学ー
木々が育つにつれて、森の中を歩くことのできる道もつくりました。
表の庭から裏庭の上から下までつながる「哲学の道」と名付けた散歩道です。毎日少しずつ、鍬とスコップで土を掘っては運び、地を固め、5年以上の歳月をかけ完成しました。
木々の間を歩き、季節を感じ、少し立ち止まって考える。
春には花が咲き、夏には緑が深まり、秋にはさまざまな実がなり、冬には静かな表情を見せる。四季の移ろいを身近に感じられることも、この森の魅力のひとつです。
私たちの仕事も、日々さまざまな課題に向き合い、知恵や創意工夫を重ねながら、新しい答えを探していく仕事です。
自然の中で過ごし、季節の変化を感じる時間は、感性を育み、新しい視点や発想を生み出すきっかけにもなります。
この森づくりは、直接的に利益を生み出す活動ではありません。しかし私たちは、環境や地域への貢献、自然に触れることで生まれる豊かな感性など、
効率や利益だけでは測れない価値も大切にしています。
自然界の営みや循環、四季の移ろいを身近に感じる中で、感性を育み、豊かな発想から新しいものを生み出す。
それもまた、この森をつくり、育ててきた理由のひとつです。
PRESENTー現在の姿ー
2006年、何もなかった場所に植えた木々は、20年の歳月を経て、今では人の背丈を越え、木陰をつくり、鳥や虫が集う森になりました。
キジ、野うさぎ、たぬき、イタチ。
メジロ、シジュウカラ、ウグイス、ハクセキレイ。
チョウ、トンボ、セミ、鳥の巣。
この森には、さまざまな生き物が暮らしています。
それは、この場所が生き物にとって安心して過ごせる環境になったからなのかもしれません。



植えた木々が育ち、森となり、そこに生き物が集う。
20年という時間の中で、自然が少しずつつながり、
ひとつの環境が育ってきました。
今、ここにあるのは、ただ木々が並ぶ庭ではありません。
人と自然、そしてさまざまな命が共にある、
坂本設計の森です。

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